インバウンド婚3200億円市場の実像|和装挙式を軸に地域が選ばれる条件

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ニュースの概要

外国人が日本を訪れて結婚式を挙げる「インバウンド婚」が増えている。市場規模は3200億円ほどとされ、白無垢や着物を着て寺社で式を行う和装婚が人気を集める。京都では国宝の寺院施設を貸し切る大規模な事例も出てきた。中国からの観光客が減るなか、新しい需要の受け皿としても期待が高い。沖縄県は香港や台湾でイベントを開き、誘致に力を入れている。その結果、海外の利用者による挙式は前年に687組へ達した。観光とブライダルが結びつき、新しい市場が形になりつつある。

引用元: 「インバウンド婚」急増、訪日客向け結婚式市場が3200億円規模に(TV Asahi)

分析・見解

3200億円の市場は「結婚式」より「旅の目的」で動く

インバウンド婚の特徴は、結婚式そのものが旅行の目的になる点にある。ふつうの観光客は名所を回って帰る。だが挙式を目的に来る人は、家族や友人を連れて数日滞在する。宿泊、食事、衣装、撮影、移動が一度にまとまる。つまり一組あたりの消費額が大きくなりやすい。

3200億円という規模は、挙式の料金だけでなく周辺の支出も含めた広い見方だと考えるのが自然だ。式場だけが潤う話ではない。地域全体に波及する市場である。

和装婚が選ばれるのは「ここでしかできない」から

白無垢や着物で寺社に入る体験は、海外の式場では再現できない。ホテルのチャペルなら、ほかの国でも似た式ができる。だが日本の寺社と和装は、その土地でしか手に入らない。この「代わりがきかない」ことが、遠くから来る理由になる。

京都で国宝の寺院施設を貸し切る事例は象徴的だ。文化財を一晩だけ自分たちのものにできる贅沢さは、価格よりも希少性で選ばれている。高額でも成立するのはそのためだ。

沖縄の数字が示す、誘致を仕組みにする強さ

沖縄では海外利用者による挙式が前年に687組となった。ここで注目したいのは、県が香港や台湾でイベントを開いている点だ。待っていて増えた数字ではない。需要が見込める地域へ出向き、直接売り込んだ成果である。

比べてみると、京都は文化の厚みで選ばれ、沖縄は景色と手軽さで選ばれている。強みが違うので、競争というより役割分担に近い。どちらも「何を売るか」がはっきりしている。

中国客の減少を補うには、国ごとの好みを見分ける必要がある

中国からの観光客が減ると、団体向けの商売は影響を受ける。その穴を埋める手段として婚礼が期待されるのは、少人数でも単価が高いからだ。ただし、香港や台湾の人と、欧米の人とでは好みが違う。写真映えを重視する層もいれば、儀式の意味を知りたい層もいる。

一つの型で売るのではなく、相手ごとに見せ方を変える工夫が要る。今後は、国別の需要を細かく読む力が差になるだろう。

ビジネスへの影響

式場でなくても参加できる、周辺事業の組み立て方

インバウンド婚は、式場だけの商売ではない。着付け、ヘアメイク、写真、通訳、送迎、宿、料理など、多くの事業者に出番がある。自社が得意な部分を一つ決め、式場や旅行会社と組むのが現実的だ。

たとえば写真業なら、寺社での撮影許可の手続きや当日の動き方まで含めて提案すると、選ばれやすくなる。単品で売らず、「当日が滞りなく進む安心」を一緒に売ることが大切だ。

受け入れ側が先に整えるべき三つの準備

一つ目は、外国語での案内だ。料金、流れ、禁止事項を、相手の言葉で見られるようにする。二つ目は、宗教施設との調整である。寺社は観光施設ではないため、守ってほしい作法を事前に伝える仕組みが要る。三つ目は、口コミの扱いだ。式を挙げた人の写真や感想は、次の客にとって最良の宣伝になる。

最初から大きく投資する必要はない。まず小さく受け付け、実績を一件ずつ積み上げる進め方が失敗しにくい。

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